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作者 松田利典(イラストレーション・文)のご紹介

広告会社での広告制作を経て、定年退職後2010 年より作家活動を始める。マッドマンのキャラクターを中心にデジタルコンテンツ、著作物、イラストレーションなどの制作を進めている。

作者からのメッセージ

「マッドマン」の構想が私の中で生まれたのは1971~72 年の頃。数点のイラストレーションに描かれたブラックユーモアの世界。それは、トミー・アンゲラーなどを筆頭とするその時代のひとつの潮流だった。
 それから約40年後、このイラストレーションが偶然若いクリエーターたちの目に止まった。彼らにはこの古めかしい時代掛った描写が新鮮に映ったようで、その思いもよらない反応に、リタイア世代となった私は突き動かされるように、再びその構想を膨らませ、みなさんのサポートに支えられながら、マッドマンの世界の再構築を始めることになったのです。
 マッドマンの舞台は、当初から20世紀初頭のシカゴと設定していたが、40年を経て改めて当時のアメリカに首を突っ込んでみると、そこには実に奇想天外なドラマが凝縮された興味深い時代であることを実感した。
 夢と悪夢、富と貧困、科学と魔術、ヴィクトリアンの装飾美とヘドロの川…「金ぴか時代」と揶揄されたその時代は、絶えず背中合わせのスリリングな危うさに満ちていた。そんな時代背景の中で生まれたマッドマンの奇妙な世界。そんな時代のことを想像しながらお楽しみください。